オイル選びは慎重に!農機具のオイルの種類と特徴とは?

農機具のオイルの種類は多く選択を誤ると劣化や故障を誘発する恐れがあります。また、高性能オイルだからといって全ての農機具に適応しているわけではありません。そのため使用機具の性質をしっかり把握し正しいオイルを選択する必要があります。

使用環境によっても選択するオイルは異なるため時期や場所によって調整が必要となってくるでしょう。今回はさまざまな農機具オイルの特徴や種類についてご紹介します。

農機具用オイルの役割

農機具用エンジンオイルにはさまざまな役割があります。シリンダーやピストンリングなどの金属の摩擦を油膜で抑えたり、ピストンの衝撃を抑え振動や異音の発生を軽減させたりします。また、このエンジンオイルによりピストンやシリンダーの隙間を密封させることでパワーロスを防ぐこともできる上、水蒸気などによる金属の錆を防ぐことも可能です。

それだけではなくエンジンオイルは燃焼や摩擦で高温になる熱を冷却したり内部の燃えカスなどの汚れを包み込み清浄もできます。

農機具のエンジンオイルの規格

エンジンオイルの規格にはAPIとJASOがあり、前者は米国石油協会、米国自動車技術者協会、アメリカ材料試験協会の三者が定めている規格です。

後者は2015年5月自動車技術会によってディーゼル微粒子補集フィルターが装着されたディーゼル車のために規定した規格で、二種類あります。

(コモンレール付きディーゼルエンジン用と新排ガス対応エンジン(DPF、SCR装着)用)エンジンオイルは粘度が低かったり相性が悪かったりすると摩耗が進みやすくダメージを与えるため慎重に選択しましょう。表記の見方がわかりにくい場合は、同じ粘度のオイルを使用すればよいでしょう。

農業器具のエンジンオイルの種類と表記

オイルの種類は、主に鉱物油も化学合成油があります。

前者は鉱物から生成された比較的安く一般的な農機具に使用されるエンジンオイルで、後者はナフサという成分を合成した安定性が高く洗浄力のあるオイルです。

高性能な品質であるため比較的割高の製品に使われることが多いといえます。またエンジンオイルには表記があり、そこからオイルの成分や性質を確認することができます。SAEは潤滑油の粘度の規格を表し、数字のみの記載が一般的です。

例えば10W-30という表記ですが、これは低音環境下の性能と高温環境下の性能を表しています。SL/CFのの場合は、Sはガソリン、Lがガソリンエンジンでのグレード、Cはディーゼル用、Fがディーゼルエンジンでのグレードとなります。

この表記の見方と意味を理解できている方は、さらに環境下に合わせてオイルを選択すると良いでしょう。最適なオイルを使用することで農機具の機能をより高めることができるでしょう。またオイルのグレードによってその性能は異なります。

洗浄能力などの違いから、ガソリン用やディーゼル用、兼用オイルがありますが、そのグレードはアルファベットの一番後ろの文字でわかります。例えばガソリンエンジンオイルの場合SA

古い農機具のオイルの選択とメンテナンス

古い農機具の場合はガソリンエンジンでSD以上、ディーゼルエンジンであればCC以上のものが条件です。現在市販のオイルよりグレードが低いものが多いといわれています。古い農機具に必要以上に高いグレードのオイルを使用すると、オイルシールの劣化を招くこともあります。

ですから、古い農機具をオイル交換する際は表記をきちんと確認し市販であれば安価なものを選択したほうがよいといえるでしょう。また、農機具が痛まないように使い続けるにはメンテナンスが重要となります。タイヤや細部に挟まる泥を洗い流すだけでも劣化や故障を起こしにくくなるため、こまめに掃除をしたほうが良いです。

また、農機具を万全な状態にしておけば古いものでも長期間、安全に利用できるといえます。ただし、メンテナンスのために分解してはいけません。素人が分解してしまうと故障したり破損させる恐れがあるため、内部のメンテナンスはプロに依頼するようにしてください。

利用者が多いトラクターエンジンオイルの特徴

農機具で使用頻度も高いトラクターのオイルですが、求められる基本的な性能を満たしていない場合は劣化や故障の誘引となるので注意しましょう。その性能とは高付加で高トルクからギヤやクラッチを保護したり、高トルクによる発熱を冷却できる、またギヤやベアリングの洗浄や長期間不使用でもミッションパーツを保護できる、パワーステアリングや作業機昇降装置、フロントローダの油圧作動油をミッションオイルと兼用ができるということです。

農機具のトランスミッションには一般的にTOUが使用されます。主にギヤ・軸樹等の潤滑や油圧作動を兼用する潤滑油で、高付加に耐える極圧性が必要です。油圧制御によって温度が高くなるので、安定性とシール部分のゴムとの相性が求められます。

農閑期には長期間保管されるため、結露水からの錆やブレーキの鳴きを防ぐことが重要であり、最近はその精度もあがり農業器具には不可欠の潤滑油となっているといえるでしょう。ギヤオイルはトランスミッションやギヤケースに使う場合があります。

一般的にTOUに比べ低音流動性に劣っているため使用器具は限定されていることが多いでしょう。ほかにはSTOUというエンジンオイルがありますが、これはあらゆる潤滑、油圧作動を兼用している潤滑油であり、高性能なものも多く汎用性にとんでいます。

農機具オイル廃油処理の注意事項

オイル交換を行う際、処理に困る方も多いかもしれません。廃油とは、事業活動で生じた廃棄物であって廃棄処理方法で規定された鉱物性油や動植物性油、潤滑油や絶縁油、洗浄油に切削油、溶剤やタールピッチなどを指します。

(日本廃棄物処理振興センター)保管、運搬を行う場合は消防法や廃掃法などで規制されていて法規を確認しなければなりません。特に危険性が高い引火性廃油は、有機塩素化合物が含まれることもあるので廃棄には注意が必要です。

代表的な合成化合物にPCB(ポリ塩化ビフェニル)がありますが、水に溶けず絶縁性が高いため廃棄処理が注目されています。PCBは分解されにくく生物の体内で濃縮されやすいため、蓄積されることにより、まぶたの膨張や、塩素ニキビなどを発症することがあり危険です。

このように利便性が高い分有害なオイルも含まれているので、廃油処理には注意しましょう。不要になった古いオイルを地面への垂れ流す行為、川や池への不法投棄、焼却処理などは禁じられています。このような処理方法は環境汚染につながることがあるため、罰則の対象となるでしょう。

廃油だけでなく、燃料や溶剤、冷媒に冷却水、フィルターやバッテリーなどその他の有害物を捨てる場合は購入先や産業廃棄物処理業者に依頼してください。